海外駐在員の妻といえば
- 旦那が高給取りで優雅に生活
- 毎日、日本人妻同士でお茶会やパーティー
- 買ってもらったブランド品でマウントの取り合い
- SNSで海外のキラキラした部分を発信
などなど、ウェブサイトやSNSで散見されます。
読んだ人は疑問に思うことでしょう。本当にそんな生活してるの?なんでそんなに海外最高!っていうの?
奥様方にも言い分はあるでしょう。ここは、実際に駐在している旦那側の視点で「なんでそんな風になってるの?」ということを推測してみました。
相手の行動を理解することが相互理解の第一歩です。
海外赴任は赴任者も家族も大変な思いをしているはずです。
この記事を通して、奥様の行動にお悩みの旦那様、新任の駐妻様が背景を理解してくれる一助になればうれしいです。
そもそも駐妻とは
海外赴任と海外駐在では海外赴任のほうが言葉として一般的(Googleトレンド比較)のようですが、
旦那側の仕事で家族赴任する際に、奥様のことを駐妻(駐在員の妻)と書くことがあります。
女性側が海外赴任して旦那様が仕事を辞めてついていくというのはあまりなかったためか、駐夫という言葉もあるものの、やはり女性側に関する話題が多いです。
そして、そんな駐妻様内がやたらキラキラした内容を発信している事情を我が家の事情から推測してみました。
キラキラ駐在妻になる理由
理由は多岐にわたるので、私が感じていることをまとめます。
配偶者の仕事を禁止している企業が多い
これは税金面の問題を解決する(企業がそこまで手間をかけられない)のが大きな理由ですが、配偶者は駐在員の企業から、仕事を禁止されていることがあります。というか大多数ではないでしょうか。
私の知っている限りでは、交渉して勝ち取ったという人以外は見たことがありません。
税金関係は非常に複雑で、滞在している国によっても異なるのですが、基本的に、日本国内で発生した所得(稼いだお金、収益)に関しては日本で納税する義務があります。
そして、駐在先の国で発生した所得に関しては、駐在先の国で税務申告する必要があります。
大手企業では、駐在員の給料は手取り保証です。
そこで、配偶者の方が働いて不要から外れると、駐在員の給料も調整しなくてはなりません。
企業側からすると、駐在先の国に税金のプロフェッショナルがいるわけではないため、このあたりの手続きをする場合に負担が増えてしまうのです。
そのため、基本的に働くのが難しい環境にあります。
昼間は暇
駐在員家庭は狭いコミュニティです。
大都市ならまだしも、少し地方に行くと日本人がおらずにさみしい思いをすることもあります。
そして、駐在員は仕事で昼間どころか下手すると夜遅くまで家にいません。
配偶者を支えようと思ってついてきたものの、そもそも家にいないのではただの家政婦か?と悩む人もいます。
それに拍車をかけるのが、考える時間があるほどの暇があるということです。
日本で働いていた人ならなおさら、専業主婦を半ば押し付けられていったい何をすればいいんだ!となってしまうことでしょう。
暇なら何かすることがあるでしょ?と思うかもしれませんが、
車がなければ買い物に行けない地域
そもそも言葉が通じない
語学を習っても使う場所がない
習い事をしようにも現地語
日本人同士で集まると毎回同じ話
と、なかなかの壁があります。
そうすると、必然と、自分がやっていることに価値があると認識するために、キラキラ面を話したがります。
日本語を話す機会が少ない
駐妻様の日常での日本語使用量ってどれくらいでしょうか?
下手するとゼロです。
駐在員は駐在員同士で日本語を話すでしょうが、駐妻様は、お子様がいない場合には本当に会話ゼロということもあります。
これは、駐在員が仕事が忙しく、ライフワークバランスなんて言ってられない環境だからということもあります。
そうすると、必然的にストレスがたまります。
当たり前です。ストレスの発散方法は人さまざまですが、
会話
ショッピング
食事
運動
趣味
などが一般的です。
そうすると、必然的に、お金を使うことになるんです。そして、駐在員は給料がいい。ロジックが見えてきましたね?
お金を使うことでストレスを発散している
そう、たまったストレスは当然発散する必要があります。
では項目ごとになんでお金がかかるのか見ていきましょう。
- 会話
カフェで、自宅で、誰かの家で、会話するにも電話ではなく対面のほうが楽しいですよね。
それは、感情を共感できるからです。同じものを食べたり、同じお店に行ったり、そうすること自体が会話のきっかけでもあり、感情の共感につながります。
そうすると必然的に、少額ながらもお金が必要になってきます。
日本に比べて欧米は物価が高いです。
駐在先にもよりますが、ちょっとカフェによると1000円程度は飛んでいきます。 - ショッピング
買い物はストレス発散のいい手段ですが、日本にいた時よりも生活レベルが上がっていることが多い(ブログ主調べ)ため、買うものの値段も上がっています。
日本にいた時は買わなかった高級品を買っている家庭も散見されます。
私の妻曰く、必要経費とのことです。 - 食事
ちょっといいものを、ちょっと外食を、が高くつくのが欧米です。
アジア圏も物価が上がってきていますが、イギリスのニュースは日本でも流れましたね。
かなりの物価高に加えて、人件費の上昇も組み合わさるため外食が高いです。
ラーメン一杯2000円で食べられればいいほうでしょう。
かといってせっかくの駐在、期間限定なのでおいしいものを食べたいという気持ちが出てくるのが正直なところでしょう。 - 運動
運動もストレス解消にはなりますが、そもそも運動がストレスだという人もいるでしょう。
ジョギングで済めばいいですが、ジムに行きだすとやはり出費がかさみます。
たいていの駐妻様は、誰か友達と申し込んでいるため、終わった後のカフェタイムが増えて余計に出費が増えたりします。 - 趣味
これはタイプによりますが、お金のかかる趣味だと大変です。
特に、読書の場合は日本から取り寄せたり、料理の場合は道具や食材にこだわったりとやはり出費がかさみます。
ただ、これは人に寄るため、うちは全然かかってないという家庭もあるでしょう。
選択したことを後悔しないために、体験したことを肯定して発信する
働けない、好きなことを自由にできない、コミュニティが狭い、買いたいものを買えない、いろいろな理由があり、ストレスがたまっていきます。
かといって、せっかく海外に住んでいるんだから楽しみたい、楽しんだことを発信したい、そうするとSNSへ投稿する内容が必然的にキラキラした内容になっていきます。
これは悪いことではありません。誰だって、自分のいる環境を悪く言って同情されるより、良く言ってあこがれられる方がうれしいでしょう。
ゆくゆくはこの体験をもとに仕事や起業につなげたい場合には、余計に現地のことを悪くは言わないでしょう。
こうしてキラキラを発信することで、徐々に自分の考え自体が「海外素晴らしい」になっていくのです。
まとめ
どうでしょうか?背景をなんとなく理解できましたか? 駐妻の方は共感いただけましたか?
キラキラ駐在妻は、そもそもキラキラしたかった人と、そうではないけどキラキラせざるを得なかった人がいると思います。
様々なストレスから、いい体験に絞って情報発信をすることで、心のバランスをとっているイメージです。
これから駐在する方の助けになれば幸いです。
現地情報の上澄みしか入ってこないなど、もっと詳細を話したい部分もありますが、機会があれば書いてみます。
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