「海外赴任中、子供の現地語学習のために家庭教師をお願いしたのに、全然うまくいかない…」
慣れない海外生活、子供の言葉の遅れは親として大きな心配事ですよね。現地の学校に馴染むためにも、家庭教師によるサポートは有効な手段と考えがちです。我が家もフランス赴任中、子供たちのフランス語力向上のため、大きな期待を込めて家庭教師を雇いました。
しかし、現実は厳しいものでした。子供は授業を嫌がり、集中できず、座っていることすら難しい…。親が隣でサポートしても状況は変わらず、親子ともにストレスが溜まる一方。最終的に、私たちは家庭教師を辞めるという難しい決断をしました。
この記事では、
- なぜ我が家が家庭教師を雇ったのか(その期待)
- 実際に直面した問題点(子供が授業を嫌がった具体的な理由)
- 家庭教師を辞めるという決断に至った経緯
- その後、子供に合った学習法を見つけるまでの試行錯誤
について、私のリアルな体験談を基にお話しします。同じように悩んでいる親御さんにとって、何かのヒントや、「うちだけじゃないんだ」という安心感に繋がれば幸いです。
期待を込めてスタート!家庭教師を雇った理由
まず、なぜ私たちが家庭教師という選択肢を選んだのか、その背景をお話しします。
現地校での学習サポートの必要性
子供たちはフランスの現地校に通うことになりました。当然、授業は全てフランス語。親である私はフランス語がほとんど話せず、子供の宿題を見てあげることすら困難な状況でした(書いてある単語は調べられても、何をすべきか理解できないことも多々…)。学校のサポートだけでは、子供の理解度に合わせて学習を進めるのは難しいと感じ、個別のサポートが必要だと考えました。
安心感を求めて選んだ家庭教師
幸い、現地で日本人にフランス語を教えている経験豊富な方を紹介してもらうことができました。他のご家庭での実績があるという安心感、実際にお会いした際の人柄、そして体験授業での様子を見て、この先生にお願いすることに決めました。妻が英語で先生とコミュニケーションを取れたことも、私たちにとっては大きな安心材料でした。
個別指導ならではの期待
家庭教師の先生は、子供のレベルに合わせて教材を選び、文法や語彙の基礎から会話練習まで、丁寧にカリキュラムを組んでくださいました。授業中に質問や演習を通して理解度を確認し、進捗に合わせて内容を調整してくれる…まさに、私たちが期待していた個別指導そのものでした。
理想と現実のギャップ:家庭教師の授業で直面した問題点
しかし、実際に授業が始まると、様々な問題に直面しました。端的に言えば、我が子は「先生から教わる」という形式が、とにかく苦手だったのです。
問題点1:自信のなさ・緊張からくる「沈黙」
まず、子供はフランス語を話すこと自体に自信がなく、授業中は常に緊張していました。先生が優しく話しかけても、なかなか言葉が出てこず、黙り込んでしまう。促されても返事ができず、しまいには親に助けを求める始末。授業が成り立たない状況でした。
問題点2:集中できない・座っていられない
特に活発な上の子は、長時間椅子に座って授業を受けることが苦痛なようでした。すぐにそわそわし始め、立ち歩いてしまう。先生が注意しても聞かず、親が隣についていても集中力を維持するのは困難でした。
問題点3:学習意欲の欠如・「やらされ感」への反発
根本的な問題として、子供自身がフランス語を「学ぶ必要がある」「学びたい」と感じていなかったのかもしれません。親や先生に「やらされている」という感覚が強く、授業を受けること自体に抵抗を示していました。
問題点4:「できている」のに直されることへの抵抗
これは特に宿題のサポート時によく見られました。例えば、詩の暗唱や作文など、子供なりに「自分はもうできている」と思っているものを先生に直されると、プライドが傷つくのか、露骨に嫌な顔をして受け入れようとしませんでした。
親が間に入っても、子供は親の言うことも先生の言うことも聞かなくなり、授業を続けることがますます難しくなっていきました。
苦渋の決断:家庭教師を辞めるということ
先生は非常に熱心で、子供に合わせて色々と工夫してくださいました。しかし、子供の抵抗感は変わらず、授業の時間が親子ともにストレスになっていきました。「このまま続けても、フランス語が嫌いになるだけではないか…」そう考え、非常に悩みましたが、最終的には家庭教師を辞めるという決断をしました。
決して安い費用ではありませんでしたが、子供の精神的な負担や、身にならない時間を考えれば、これが最良の選択だと判断しました。
新たな道を探して:子供に合った学習法との出会い
家庭教師を辞めた後、私たちは子供がフランス語に触れる機会をどう作るか、新たな方法を模索し始めました。色々と試す中で、意外にも子供にヒットしたのが、特定の学習アプリでした。
そのアプリは、難しい問題に挑戦してレベルアップするというよりは、「すでに知っていること・少し頑張ればできること」を繰り返し復習する要素が強いものでした。ゲーム感覚で、自分のペースで進められるのが良かったのかもしれません。プレッシャーなく、成功体験を積み重ねることで、少しずつ語彙や表現が増えていく様子が見られました。
体験から学んだこと:親として心得るべきポイント
この一連の経験を通して、私が学んだこと、そして同じように悩む親御さんに伝えたいことがあります。
家庭教師が万能ではない現実
個別指導は確かに効果的な学習方法の一つですが、それが全ての子に合うわけではありません。「家庭教師を雇えば安心」と思い込んでいましたが、子供の性格や学習スタイルによっては、逆効果になることもあるのだと痛感しました。
子供の気持ちとペースを最優先に
親としては「早く上達してほしい」と焦る気持ちも分かります。しかし、子供が嫌がっているのに無理強いしても、学習効果は期待できません。むしろ、学習自体への拒否感を強めてしまう可能性があります。子供の気持ちに寄り添い、その子のペースに合わせて、楽しめる方法を探すことが何より大切です。時間はかかるかもしれませんが、急がば回れ、です。
親が「先生役」になることの難しさ
これは補足ですが、家庭教師を辞めた後、親が代わりに教えようとすることも考えがちです。しかし、親が直接「先生役」になるのは、本当におすすめしません。どうしても感情的になったり、期待通りにいかないとイライラしてしまったり…親子関係が悪化するリスクが高いです。サポート役に徹するのが賢明だと感じています。
まとめ:無理強いせず、子供に合った学びの形を見つけよう
海外赴任中の子供の語学学習、特に家庭教師との相性は、実際にやってみないと分からない部分が大きいものです。我が家のように、期待通りにいかないケースも少なくありません。
- 家庭教師は万能ではなく、子供との相性が重要。
- 子供が嫌がる場合は、原因を探り、無理強いしない。
- 家庭教師以外の学習方法(アプリ、ゲーム、動画、遊びなど)も積極的に試してみる。
- 焦らず、子供のペースと「楽しむ」気持ちを大切にする。
- 親は「先生」ではなく「サポーター」に徹する。
もし家庭教師がうまくいかなくても、それは親のせいでも子供のせいでもありません。ただ、その方法が合わなかっただけ。落ち込まず、「うちの子に合う方法はきっと他にあるはず」と信じて、色々なアプローチを試してみてください。
この記事が、海外での子育てと語学学習に悩むあなたの、次の一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しいです。
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