
「海外赴任、楽しみだけど、正直不安も大きい…」「慣れない土地で、辛いことばかりだったらどうしよう…」
海外赴任や帯同が決まった方、あるいは現在まさに奮闘中の方の中には、そんな風に感じている人も少なくないかもしれません。かくいう私も、フランスへの赴任が決まった当初は期待と不安が入り混じり、実際に住み始めてからは「なんでこんなに暮らしにくいんだ!」と壁にぶつかることも多々ありました。
でも、視点を少し変え、一歩踏み出す勇気を持てば、海外赴任生活は驚くほど豊かで刺激的な「宝の山」に変わる可能性があります。
この記事では、私のフランス駐在経験に基づき、「辛い」だけでは終わらせない、海外赴任生活を120%楽しむための5つの秘訣を、具体的なエピソードを交えてご紹介します。この記事が、あなたの海外生活をより充実させるためのヒントになれば幸いです。
秘訣1:日常に潜む「カルチャーショック」を面白がる
海外生活で最初にぶつかる壁、それは「文化の違い」です。旅行中は気づかなかった不便さや、理解しがたい習慣に戸惑うことも多いでしょう。
「普通」が違う!異文化適応は自己成長のチャンス
私もフランスで「なんで公共のトイレに便座がないのが普通なの!?」と衝撃を受けました(観光地は綺麗なので気づきませんでした…)。お店の対応、時間の感覚、人との距離感…あらゆる場面で日本の「当たり前」が通用しないことに、最初はストレスを感じるかもしれません。
でも、そこで「なんで?」と不満を募らせるのではなく、「へぇ、こういう考え方もあるんだ」「郷に入っては郷に従え、か」と、一種の異文化体験として面白がってみる。その視点の転換が、適応への第一歩であり、凝り固まった自分の価値観を見つめ直し、柔軟性を身につける自己成長のチャンスにもなります。
現地の人との交流で広がる世界
勇気を出して現地のコミュニティ(語学クラス、趣味のサークル、子供の学校関係など)に参加してみると、教科書では学べない生きた言語や習慣、そして彼らの人生観に触れることができます。日本人とフランス人では、仕事や家族に対する考え方、人生で何を大切にするか(人生の軸)が違うな、と感じる場面が多くありました。こうした交流は、視野を広げ、その国への理解を深める最高の機会です。
秘訣2:「暮らす」からこその深掘り旅行に出かける
旅行で訪れるのと、住んでいるからこそできる旅は全く違います。
お気に入りを見つけて何度も訪れる贅沢
赴任先の国内には、きっと魅力的な場所がたくさんあるはずです。フランスなら、美しい田園風景、歴史的なお城、風光明媚な海岸線…。一度訪れて気に入った場所に、「また来週行こう」「今度はあのレストランで食事しよう」と気軽に再訪できるのは、現地在住者ならではの特権です。
季節ごとの表情を楽しむ
同じ場所でも、季節が変われば全く違う表情を見せてくれます。春の花々、夏のヴァカンスの賑わい、秋の紅葉、冬のクリスマスマーケット…。何度も訪れることで、その土地の季節の移ろいを肌で感じ、より深くその土地に親しみを感じることができます。
秘訣3:ガイドブックには載らない「ローカルイベント」に潜入する
観光客向けの大きな祭りも良いですが、地元の人々が集まる小さなイベントには、その土地の素顔に触れられる魅力があります。
宝探し感覚?イベント情報の見つけ方
問題は、こうしたローカルイベントの情報をどうやって見つけるか。日本のようにSNSでの情報発信が少ない国もあります(フランスもそうでした)。
- 地域の新聞やそのウェブサイトをチェックする。
- 市町村の広報誌やウェブサイトを見る。
- スーパーや公共施設の掲示板を気にかけてみる。
- 現地の人(同僚、隣人、お店の人など)に聞いてみる。
情報を見つけるのは少し手間かもしれませんが、その分、発見した時の喜びはひとしおです。「なんでこんな素敵なイベント、もっと宣伝しないの?」と思うような掘り出し物に出会えることもあります。
小さなイベントならではの魅力
こじんまりとしたお祭り、蚤の市、収穫祭…。こうしたイベントでは、地元の人々の温かさに触れたり、手作りの工芸品や郷土料理に出会えたりと、観光地では味わえない体験が待っています。
秘訣4:食わず嫌いは損!現地の「食文化」をとことん探求する
「海外でも食事はやっぱり和食じゃないと…」という方もいるかもしれませんが、せっかくその国に住んでいるなら、現地の食文化を楽しまない手はありません。
有名料理だけじゃない!専門店や市場の魅力
フランスなら、パン、チーズ、ワインはもちろん、バター専門店、シャルキュトリー(ハム・ソーセージ類)、パティスリー、地方ごとの郷土料理など、探求しがいのある食の世界が広がっています。レストランだけでなく、マルシェ(市場)を覗いたり、専門店で店員さんにおすすめを聞いたりするのも楽しい体験です。
挑戦する勇気と、ちょっとした注意点
もちろん、中には日本人の口には合わないものもあります。私もフランスでブーダン・ノワール(血のソーセージ)やアンドゥイエット(内臓のソーセージ)に挑戦しましたが、なかなかに個性的でした…。
事前に調べて避けられるものは避けるのも手ですが、基本的には「まずは試してみる」という冒険心を持つと、食の世界がぐっと広がります。意外な美味しさに出会えるかもしれませんよ。
秘訣5:国境を気軽に越える!「週末ショートトリップ」を満喫する
特にヨーロッパなど陸続きの国が多い地域に赴任した場合、近隣国へのアクセスが日本とは比べ物にならないほど容易になります。
フランスからは、車や電車、格安航空券を使えば、イタリア、スペイン、ドイツ、ベルギー、スイスなどへ、まるで国内旅行のような感覚で足を延ばせます。我が家もスペインやドイツを訪れましたが、同じヨーロッパでも文化や街並み、食べ物が全く異なり、非常に刺激的な体験でした。
日本からでは時間も費用もかかる国々へ、週末や短い休暇で気軽に旅行できる。これは海外赴任の大きな醍醐味の一つです。ぜひ積極的に計画してみてください。
まとめ:意識次第で「辛い」は「最高の経験」に変わる!
海外赴任生活は、確かに大変なこと、辛いこともあります。しかし、それは同時に、日本では決して得られない貴重な経験と成長の機会でもあります。
- 日常の「違い」を面白がり、異文化適応を楽しむ。
- 「暮らす」視点で、赴任先の国を深く旅する。
- ローカルなイベントに参加し、現地の素顔に触れる。
- 冒険心を持って、現地の食文化を探求する。
- 地理的なメリットを活かし、近隣国への旅行を楽しむ。
大切なのは、「楽しもう」という意識を持つこと、そして新しいことへの好奇心を忘れずに行動してみることです。受け身でいるだけでは、ストレスばかりが溜まってしまうかもしれません。
この記事で紹介したヒントを参考に、あなただけの海外赴任の楽しみ方を見つけ、人生における最高の経験の一つにしてください!
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