「男性の育児休業(育休)って、取った方がいいのかな…?」「周りに取ってる人もいないし、会社での評価やキャリアが心配…」「収入が減るのも不安だ…」
(※この記事では、法律上の「育児休業」を指して「育休」と表記します。単なる数日の「休暇」とは異なりますのでご注意ください。)
こんにちは!3人の子供の父、ふーさんです。今でこそ男性育休の話題を目にする機会が増えましたが、私が3人目の子供が生まれた時は、まだまだ取得する男性は少数派。正直、取得する前はめちゃくちゃ怖かったです。
「転勤させられるかも」「仕事干されるかも」「同僚に迷惑かけるかも、嫌われるかも…」そんな根拠のない「かもかも不安」が頭をぐるぐる回り、1人目、2人目の時は育休取得に踏み切れませんでした。
しかし、3人目。頼れる実家も遠方。「これはもう腹を括るしかない!」と覚悟を決め、半年間の育休を取得。そして…すぐに強烈な後悔に襲われたのです。
「なんでもっと早く、1人目の時から取らなかったんだ…!!」と。
この記事では、私のリアルな体験談を通して、
- なぜ私が「1人目から育休を取るべきだった」と後悔したのか?
- 男性育休がもたらす、お金だけでは測れない本当の価値とは?
- 育休中の「お金」や「期間」のリアルな話
- 取得前に知っておくべき注意点と、不安を乗り越えるヒント
について、包み隠さずお伝えします。今、育休取得を悩んでいるパパさん、そしてそのパートナーの方々の背中を少しでも押せたら嬉しいです。
後悔先に立たず!私が「1人目から育休を取るべきだった」と痛感した理由
私は、1人目、2人目の時も、育児に全く関わらなかったわけではありません。休日のワンオペ育児、沐浴、オムツ替え、ミルク作り、寝かしつけ…自分なりに「やっているつもり」でした。
しかし、3人目で半年間の育休を取得し、平日の昼間から夜まで、24時間体制で赤ちゃんと向き合う生活を経験して、その「つもり」がいかに甘かったかを思い知らされました。
想像以上!育児のリアルな大変さを「当事者」として知る
仕事をしている間は、自分のペースでタスクを進められます。しかし、育児は違います。完全に赤ちゃんのペース。泣いたらおむつかミルクか抱っこか…常に気を配り、寝ている間に急いで家事や自分の用事を済ませる。食事もままならず、トイレすらゆっくり行けない。
これを毎日、毎週、毎月…。「仕事の方がよっぽど楽だ!」と心の底から思いました。この大変さを「手伝う」のではなく「当事者」として経験したことで、妻への感謝と尊敬の念が深まりました。この経験は、1人目の時からすべきでした。
放置すると危険?夫婦間の「育児スキル格差」問題
父親も母親も、第一子で「親1年生」になるのは同じです。しかし、産後すぐに母親が育児の中心となり、父親が仕事復帰すると、あっという間に育児スキルに大きな差が生まれます。
父親のスキルが低い ⇒ 妻が夫に任せられない(不安・二度手間) ⇒ 父親が育児に関わる機会が減る ⇒ ますますスキルが向上しない…
この「負のスパイラル」は、父親の育児参加を妨げ、妻の負担を増やし、夫婦関係にも溝を生む可能性があります。1人目の、夫婦共に初心者で試行錯誤する時期に、父親が育休を取得し、一緒にスキルアップしていくことが、その後の円満な協力体制の基盤を作る上で非常に重要だと感じました。
産後の妻を本当に支えるということ
出産後の女性の体は、交通事故にあったようなダメージを受けていると言われます。そんなボロボロの状態で、昼夜問わず続く赤ちゃんのお世話…。精神的にも不安定になりやすい時期です。
そんな時、夫がただ「手伝う」のではなく、育児の主体者として隣にいてくれる安心感は、何物にも代えがたい支えになります。大変さを共有し、労わり、物理的にも精神的にもサポートする。これこそが、産後の妻を本当に支えるということだと、育休を取って初めて実感しました。
二度と戻らない「かけがえのない時間」を共有する価値
新生児期のふにゃふにゃした姿、初めての寝返り、初めての笑顔…。赤ちゃんの成長は本当にあっという間です。仕事をしていると見逃してしまうかもしれない、その一瞬一瞬のかけがえのない時間を、すぐそばで見守り、夫婦で共有できること。これは、お金には代えられない、人生における最高の喜びの一つです。この時間を逃したことを、私は後悔しています。
お金だけじゃない!育休が父親と家族にもたらす本当のメリット
育休のメリットは、単に「育児を手伝える」だけではありません。
- 父親自身の成長: 育児スキル向上はもちろん、マルチタスク能力、忍耐力、共感力などが養われる。
- 夫婦関係の深化: 共に困難を乗り越える経験を通して、相互理解と信頼関係が深まる。
- 子供との強い絆: 乳幼児期に密に関わることで、子供との間に強い愛着関係が築かれる。
- キャリアへの好影響(長期的視点): 育児経験を通して得た視野の広がりやマネジメント能力が、復職後の仕事に活かせる可能性も。
【制度のリアル】育休中の「お金」と「期間」の話
とはいえ、気になるのは現実的な制度の話ですよね。
育児休業給付金はいくら貰える?手取りへの影響は?
育休中は会社からの給与は支給されませんが、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。
- 支給額: 原則として、休業開始から180日間は休業開始前の賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。
- ポイント①(非課税): この給付金は非課税です。所得税がかかりません。
- ポイント②(社会保険料免除): 育休期間中は、健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。(これは非常に大きい!)
これらの結果、実際に手元に残る金額は、休業前の手取り額の約8割程度になるケースが多いです。「収入がゼロになるわけではない」「思ったより減らない」と感じる方が多いでしょう。ただし、具体的な金額は個人の賃金によって異なるため、事前にシミュレーションすることをおすすめします。
注意!ボーナスは対象外
育児休業給付金の計算には、ボーナス(賞与)は含まれません。また、多くの会社では、育休期間中のボーナスは支給されないか、減額されます。年間収入で考えると、ボーナス分がなくなる影響は大きいため、家計を計画する際には注意が必要です。
期間はどれくらい取れる?1日からでもOK?
育児休業は、原則として子供が1歳になるまで取得できます(保育園に入れないなどの理由があれば最長2歳まで延長可能)。
また、2022年の法改正により「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、子供の出生後8週間以内に最大4週間(2回まで分割可)の休みを取得しやすくなりました。従来の育休も分割取得が可能になるなど、より柔軟な取得が可能になっています。
極端な話、1日からでも取得は可能ですが、育児の大変さを実感し、スキルを身につけるためには、最低でも数週間~数ヶ月単位での取得を個人的には推奨します。(国の取得目標日数なども参考に)
【要注意!】育休取得前に知っておくべきこと
メリットの多い育休ですが、いくつか注意点もあります。
住民税の支払いはどうなる?
育児休業給付金は非課税ですが、住民税は前年の所得に対して課税されます。そのため、育休中も住民税の支払い義務は続きます。支払い方法は、会社が立て替えて復帰後に給与天引きするか、自分で納付書で支払うかなど、会社によって異なります。事前に確認しておかないと、復帰後の給与から高額な住民税が一気に引かれて驚く、なんてこともあり得ます。
復帰後の評価やキャリアへの影響は?(不利益取扱いは禁止)
法律では、育児休業の取得を理由とした解雇や降格などの不利益な取り扱いは禁止されています。しかし、現実には評価への影響を心配する声も聞かれます。こればかりは会社の文化や上司の考え方にもよるので、一概には言えません。ただし、育休取得がキャリアにマイナスになるという考え方は、時代と共に確実に変わりつつあります。
保育園の入園タイミングとの兼ね合い
育休の終了時期と保育園の入園時期(特に4月入園)を合わせる必要があります。希望する時期に保育園に入れるかどうかも、事前に自治体の情報を確認しておくことが重要です。
「かもかも不安」を乗り越えるために
冒頭で述べたような「かもかも不安」は、多くの男性が抱えるものです。これを乗り越えるためには、
- まずは制度を正しく知る: 不安の多くは「知らないこと」から来ています。会社の就業規則や、厚生労働省のウェブサイトなどで、育休制度について正確な情報を得ましょう。
- 早めに上司に相談する: 取得の意思が固まったら、できるだけ早めに(推奨は1ヶ月前まで、会社規定を確認)直属の上司に相談しましょう。後ろめたく思う必要はありません。権利として認められています。相談することで、業務の引き継ぎなどもスムーズに進みます。
- 周囲の目を気にしすぎない: 「迷惑をかけるかも」という気持ちも分かりますが、育休は個人の権利であり、将来の社会を支える子供を育てるための重要な期間です。チームでカバーし合うのが本来の組織のあり方です。
- 経験者の話を聞く: もし社内や友人に育休取得経験者がいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。リアルな体験談は何より参考になります。
まとめ:男性育休は未来への投資。後悔しない選択を!
3人目にして初めて育休を取得した私が断言します。男性の育児休業は、絶対に取るべきです。 それは、単なる「休み」ではなく、父親として、夫として、そして一人の人間として成長するための、かけがえのない「未来への投資」です。
収入減やキャリアへの不安はあるかもしれません。しかし、それを補って余りある価値が、育休にはあります。
- 育児の大変さと喜びを夫婦で共有できる。
- 子供との強い絆を築ける。
- 家族の未来にとって、計り知れないプラスになる。
私のように「もっと早く取ればよかった」と後悔しないためにも、特に第一子の誕生を控えているパパさんには、ぜひ真剣に育休取得を検討してほしいと願っています。
不安な気持ちはよく分かります。しかし、勇気を出して一歩踏み出せば、きっと想像以上の素晴らしい経験が待っています。まずは情報収集から始めてみませんか?
コメント