華やかに見える海外赴任も、仕事面ではそうでもありません。
家は古かったりぼろかったり、日本と現地の板挟みだったり、裁量労働のため夜遅くまで仕事をせざるをえなかったり。
この記事では、現地で仕事をしていくうえで困ったことランキングTOP10を紹介します。
- 言っていることはわかるが言っている意味がわからない
- 空気を読まない
- 仕事が膨大
- 協力してくれない
- 全部お前のせい
- 週末の交流ができない
- 日本語で話す機会がない
- やっていいこととわるいことの区別がついていない
- 話が長い
- 気になったら最後まで見てね
言ってることはわかるが言っている意味が分からない
これは海外あるあるじゃないでしょうか。
現地メンバーの言っていることはわかるけど、言っている意味が分からないというやつです。
言葉がある程度わかってくるようになると、現地メンバーが言っていることがわかるようになってきます。
ですが、「それどういうつもりで言ってるの?」というようなことがちょこちょこあります。
例えば
「自分たちが提案したけど発売日に間に合わないんだ。日本のせいだから残業時間の請求書出すね」※本気
「数を数えたら在庫を間違えてて今日は工場を動かせないんだ。昨日数えた時はあったんだけどね」※ただの数え間違い
言ってることはわかる。わかるんだ。
でも、それはないでしょ~~~~!
と言いたくなることが多々あります。
いやもうこれは文化の違いですかね。それともエリート層は違うんでしょうか。
どれもこれも冗談ではなく本気だったということが分かった時には本当にびっくりしました。
現地メンバーが空気を読まない
むしろ日本が空気を読みすぎ、ということはあるかもしれません。
ただ、会議の中で本当にどうでもいい、ほんっとうにどうでもいい質問をするのはやめてほしい。
自分の会社はこんなレベルなのね、と思われてしまい恥ずかしい。
なんなんでしょうねこれは。本当によくあるんです。
重要なプロジェクトの話の時に「そういえばこんなアイデアがあるんだけど」と話し出すんです。
フランス人はその場で言わないといけない文化だというのはよく知っています。
だけど、「それやるとこんな仕事増えるけどやりたいの」?と聞くと、「やっぱりやめとくね」となるんです。
そして時間が無駄になる。ひとつひとつの話が長いため、ささっと仕事を片付ける人にはストレスになります。
仕事が膨大
駐在員は数が少ないです。でも、仕事は多いです。
そして、駐在員は赴任した時から管理職あつかいです。
ということは、働かせホーダイなわけです。
これは非常につらい。
帰宅が0時を過ぎる(てっぺん越え)なんてこともよくあります。
人によっては海外赴任中もテレワーク、という人もいるんですが、ほんと会社によりますね。
海外赴任を引き受けるときは、ワークライフバランスを捨てる必要があるかもしれません。
現地メンバーが協力してくれない
フランス人は割とドライです。ドライというか、その人がやる仕事の範囲が明確に決まっているので、隣でひーひー言ってる人がいても、ほかの同僚はあっさり帰ってしまいます。
駐在員の仕事は駐在員の仕事。頼んでも「それ私の仕事じゃないよ」と断られることが多々あります。
仕方ないよねそういう契約だからね。
優しい人は助けてくれますが、少数派です。
フランス人は仕事が終わったら子供のお迎えがあったり、バカンスがあったりと人生に大忙しです。
日本人の感覚からするとだいぶ人生の比重が大きいですが、それこそが人生を楽しむコツなのかもしれません。
でも自分の仕事は終わらしてからバカンス行ってほしいと思った駐在員は私だけじゃないはず。
しかも事前連絡はないのが普通ですからね。でもこれも慣れです。
全部お前のせい
悪いのは大体駐在員が正確な情報をくれないから。
そういういけにえのひつじになることがあります。
悪いことではないんですよね。だって駐在員は現地の会社と心中しないわけですから言いたくなる気持ちはわかりますし、代わりに団結力は上がってます。
代わりに、彼らも自分たちの会社だ!という意識が生まれるので、この対立は多少あってもいいのかもしれません。
でも、よかれと思ってやっても、「なにそれ知らないんだけど。なんで勝手にやってるの」といわれると凹みます。
駐在員はあきらめも肝心、と思ったのはこういう経験からです。
週末の交流ができない
これは勤務地次第ですが、フランスは車社会です。
パリはまだしも、地方だとちょっとそこまで、も車で移動するため、排ガス問題が起きています。
車通勤だと、ちょっと飲みに行こうができないんです。
駐在員は近いどころか同じマンションに住んでいることもあるため、現地メンバーとの交流ができない一方、日本人同士の交流ははかどります。
もっとウェットなんだろうなと思ってたんですが、意外でした。
日本語で話す機会がない
同じ職場に日本人がほかにいない場合、ほんっとうに会社で日本語を話す時間がありません。
日本語を忘れてしまうわけではないですが、結構孤独を感じます。
これ、駐在員の奥様(駐在の妻 略して駐妻といわれることもあります)も同じ状況で、むしろ会社に行かない分、外に出なくなってゆううつになる確率はそこそこあります。
単身赴任ならいざしらず、家族赴任の場合は家族のケアを大事にしましょう。
やっていいことと悪いことの区別がついていない
ルールは守るものではない。
そんな雰囲気があります。
迷惑をかけなければいい、結果が一緒ならいい、自分にとって大事ならいい。
そんな考えばかりじゃないと思うんですが、仕事にこの考えが表れています。
「捨てちゃダメって言われたけど、こっそり捨てといたから」
「あれ、捨てろって言われたけどまだ使えたから持って帰ったよ」
「確認しろってルールだったけど、俺は大丈夫だと思うから確認しなかった」
なんていうことをしてくれたんだ…と思うことはたびたびありました。
でも、本当に悪いと思ってないんですよね。だって、それが合理的だと思うから。
結果、駐在員が総チェックに駆り出される、なんてことがたびたびありました。
話が長い
これはフランスだけなんでしょうか?
そもそも、日本語とフランス語を比べると、同じ内容でもフランス語で文章を作ると、文字数が50%増しになります。英語でも一緒でしょうか。
そして、長い文章に話好きの文化が加わって、ひたすら話が長いです。
というのも、フランスは理解する側ではなく、伝える側に伝わらなかった責任が発生するんです。
なので、言われたけどそういうことだとは思ってなかった、と回答されたら、説明した側が悪いんです。
日本だと、「それくらいわかるでしょ」ということを前提に動いていますが、これがないせいで仕事の進みが遅いです。
ただ、この文化には非常に大きいメリットもあって、やることが明確になった後は横道にそれなくなります。
ちなみに、誤解が生じにくいのも説明者責任がある文化の特徴ですね。
おかげで「わからないから教えて」というと、かなり詳細に説明してくれるんです。
最後に
最後の一つは、困るけど嬉しいことです。
それは、挨拶をしっかりすること。
日本の会社だと、同僚とあってもあいさつしない人って結構いました。
会社の規模が大きいと、見知らぬ人にはあいさつしません。
田舎だと、知らない人でもすれ違ったら挨拶するように、フランスはとくにかくあいさつします。
そして、男女だとほっぺ同士を合わせてチュッと音を立てるビズをよくしています。
コロナで下火になりましたが、マスク撤廃とともに復活したようです。
慣れてないとドキドキしますが、本当にただの挨拶です。
フランスに赴任する方は、挨拶だけはしっかりしましょう。これだけで好印象になります。
コメント