「フランスに子供を連れて行くけど、英語の勉強はどうなるんだろう?」
「フランス語優先で、英語は全然やらないって本当?」
「現地の小学校の英語の授業って、どんな感じなの?」
フランスでの子育てを考えている、または現在進行形の親御さんにとって、お子さんの英語教育は気になるポイントですよね。「フランス語だけでも大変なのに、英語まで…」と感じる一方、「グローバルな時代だから英語も学んでほしい」という思いもあるかもしれません。
こんにちは!3人の子供と共にフランスでの駐在生活を経験したパパ、ふーさんです。我が家の子供たちは現地の私立学校(キリスト教系)の幼稚部・小学部に通っていました。
この記事では、そんな私の実体験に基づき、フランスの小学校における英語教育のリアルについて、
- そもそも英語の授業はあるのか?
- どんな内容を、どのように学んでいるのか?
- 学校以外での学習機会(課外授業・塾)は?
- 親から見たメリットと、意外な注意点・デメリット
などを、具体的にお話ししていきます。フランスでの英語教育に関するあなたの疑問や不安が、この記事で少しでも解消されれば幸いです。
結論:フランスの小学校でも英語教育はあります!(意外と早期から)
まず結論から言うと、フランスの多くの小学校(公立・私立問わず)で英語の授業は行われています。「フランス人はフランス語至上主義で、英語教育には熱心でない」というイメージがあるかもしれませんが、近年はグローバル化の影響もあり、状況は変化しているようです。
実際、私の子供たちが通っていた学校では、幼稚部(3歳や4歳)から英語に触れる機会がありました。もちろん、地域や学校によって開始時期や内容には差があると思いますが、「全くやらない」ということは少ないのではないでしょうか。
どんな授業?歌やゲームが中心?気になる授業内容
では、具体的にどのような内容を学ぶのでしょうか? 私が見聞きした範囲での情報です。
低学年(幼稚部含む):まずは「楽しむ」ことから
特に低学年や幼稚部では、「英語って楽しい!」と感じてもらうことを重視している印象です。
- 歌やチャンツ: 英語の歌をみんなで歌ったり、リズムに合わせて単語を繰り返したり。言語の音やリズムに親しむことを目的としています。
- 基本的な語彙: 色、動物、曜日、月、簡単な挨拶など、身近な単語を絵カードやゲームを通して学びます。
- 遊びの要素: 英語を使った簡単なゲームを取り入れ、楽しみながら自然に言葉に触れる機会を作っています。
高学年・課外授業:少しずつステップアップ
学年が上がったり、後述する課外授業などでは、より学習的な要素が増えてきます。
- 会話練習: 簡単な自己紹介や質疑応答など。
- 読み書きの基礎: アルファベットや簡単な単語の読み書き。
- 文化紹介: 英語圏の文化や習慣に触れる活動。
日本の英語教育との違い(私見)
私が子供の頃に受けた日本の英語教育(文法・読解中心)とは異なり、フランスの小学校(特に低学年)では、コミュニケーションや音声面に重点を置き、とにかく「楽しむ」ことを大切にしているように感じました。まず英語への抵抗感をなくし、興味を持たせる、というアプローチですね。
学校外の選択肢:課外英語クラスや英会話塾
通常の授業に加えて、希望者は学校内で提供される課外英語クラスを受講できる場合があります。私の子供の学校では、フランス特有の長い昼休み(約2時間!)や放課後を利用して開催されていました。
この課外クラスは非常に人気が高く、すぐに定員が埋まってしまうほど。参加している子供たちの多くが英語初心者レベルだったため、レベル的にも無理なく、楽しく参加できていたようです。特に海外赴任家庭にとっては、現地の友達を作る良いきっかけにもなっていました。
もちろん、学校外にも子供向けの英会話塾や英語教室は存在します。より本格的に英語力を伸ばしたい場合は、そうした選択肢も検討できます。
フランスで英語を学ぶメリット(親目線)
フランス語だけでなく、英語にも触れることには、以下のようなメリットがあると感じました。
- グローバル社会への適応力: 将来的に英語が必要になる場面は多いため、早期から慣れ親しんでおくことはプラスになるでしょう。
- 友達作りのきっかけ: 特に赴任直後など、フランス語がまだ話せない時期でも、英語が共通言語となり、他の国から来た子供たちや、英語が話せるフランス人の子供たちとコミュニケーションをとるきっかけになります。
- 認知能力の向上: バイリンガル・マルチリンガル教育が、子供の思考力や問題解決能力を高める可能性があると言われています。
【要注意!】知っておきたいデメリット・注意点
一方で、特に低年齢から複数の言語に触れさせることには、いくつか注意したい点もあります。
注意点1:低年齢での「言葉の混乱」リスク?
これは我が家で実際に起きたことです。 幼稚園に通っていた息子は、フランス語で「靴(Chaussure / ショスュール)」をなかなか覚えられませんでした。しかし、幼稚園の英語の時間で習った英語の「靴(Shoes / シューズ)」はすぐに覚えてしまったのです。
結果として、二つの言語が混ざってしまい、どちらの言葉も中途半端になってしまう時期がありました。特に、母語である日本語の基盤がしっかりできていないうちに複数の外国語を詰め込むと、混乱を招く可能性があるかもしれません。
個人的には、低年齢(特に母語の基礎が固まる前)の場合は、まず現地語(フランス語)に集中し、ある程度定着してから英語学習を進める方がスムーズだったかもしれない、と感じています。
注意点2:現地語(フランス語)習得とのバランス
フランスで生活し、現地校に通う以上、最優先すべきはフランス語の習得です。英語学習に力を入れすぎるあまり、フランス語の学習時間が削られたり、子供の負担が大きくなりすぎたりしないよう、バランスを考える必要があります。
注意点3:学校・先生による質の差の可能性
これはどの国の教育にも言えることですが、英語教育の質は、学校の方針や担当する先生の経験・熱意によって差が出る可能性があります。必ずしもネイティブスピーカーが教えてくれるとは限りません。
まとめ:家庭の方針が鍵!フランスでの英語教育との向き合い方
フランスの小学校でも、英語に触れる機会は思った以上に用意されています。
- 多くの学校で、早期から歌やゲームを通して楽しく英語に触れる授業が行われている。
- 課外授業や英会話塾など、学校内外で学習機会を増やすことも可能。
- 英語学習には、友達作りやグローバル対応などのメリットがある。
- 一方で、低年齢での言葉の混乱や、現地語学習とのバランスには注意が必要。
最終的に大切なのは、「我が家として、子供の語学教育をどう考えるか」という方針を、お子さんの年齢や性格、現地の生活環境などを考慮しながら、夫婦でしっかり話し合って決めることです。
フランス語を最優先するのか、英語にも力を入れるのか、あるいは日本語の維持を第一にするのか…。正解は一つではありません。
この記事で紹介した情報が、あなたの家庭にとって最適な「フランスでの英語教育との向き合い方」を見つけるための一助となれば幸いです。
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